災害現場における地形変化監視

東京大学様・国際航業株式会社様・筑波大学様との共同研究

近年,日本全土で大雨や地震による土砂災害が多発しています.特に河道閉塞は閉塞部に堆積した土砂の再崩壊による二次被害のリスクが大きい災害であり,被害規模も大きくなる傾向にあるため早急な現場対応が求められています.

河道閉塞とは,大雨や地震により山肌が崩れ落ちることで河川付近に大量の土砂が堆積し河川を堰き止めることで天然ダムが形成される自然災害で,主に山間部で観測されます.例えば,2004年に発生した新潟県中越地震では52箇所で河道閉塞が発生し,そのうち2箇所は決壊のリスクがある大規模なものへと発展し,一部の集落では浸水被害が生じました.近年でも,2011年には紀伊半島で台風12号の豪雨により17箇所で河道閉塞が生じるなど,数年に一度程度の頻度で地震や豪雨による大規模な河道閉塞が発生しています.河道閉塞の現場では,ダム上流側においては近隣に浸水被害の危険があり,下流側においてもダムの決壊による土石流被害危険があるため,二次被害防止の観点から継続的な地形監視が重要となります.

当研究室では,河道閉塞などの災害現場で活用可能な地形変化監視システムの研究開発に取り組んでいます.LiDARやカメラなどを搭載した定点監視システムをドローンで現場へ投入することで,災害発生直後から現場の状況を遠隔監視するシステムの実現を目指しています.

※ 本研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発制度 目標3「自ら学習・行動し人と共生するAIロボット」(PD 福田敏男)「多様な環境に適応しインフラ構築を革新する協働AIロボット」(PM 永谷圭司)における「河道閉塞 緊急調査のシステムインテグレーション」内の「河道閉塞閉塞部地形変位調査用センサの現場実装」(PI 藤井浩光)の一環として取り組みました.

河道閉塞における災害現場可視化のための地形変化監視システム

関連論文

  • 葛西 柊摩, 安藤 波音, 浅生 俊希, 岩澤 尚樹, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “河道閉塞災害における初動対応のための無人監視可能な定点地形計測システム”, 第26回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2025), 1D5-05, 広島, December 2025.
  • 葛西 柊摩, 安藤 波音, 浅生 俊希, 中村 亮, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “河道閉塞における災害現場可視化のための地形変化監視システム”, 第43回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2025), 3P3-05, 東京, September 2025.

災害現場における地形変化監視のためのセンサ配置最適化

関連論文

  • 浅生 俊希, 葛西 柊摩, 安藤 波音, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “河道閉塞災害における遠隔地形監視のためのUAVを用いた設置誤差に頑健な広域計測システム”, 第26回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2025), 1D5-06, 広島, December 2025.(第21回 竸基弘賞 2025年レスキュー工学奨励賞 最終候補者(浅生 俊希))
  • 浅生 俊希, 茂松 勇毅, 葛西 柊摩, 中村 亮, 安藤 波音, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “災害現場における地形変化監視のための設置誤差と計測密度を考慮したセンサ配置最適化”, 第25回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2024), 2C2-05, 岩手, December 2024.(第20回 竸基弘賞 2024年レスキュー工学奨励賞 最終候補者(浅生 俊希), SI2024優秀講演賞 受賞)

遠隔監視のための3次元地形データ伝送システム

関連論文

  • 安藤 波音, 浅生 俊希, 葛西 柊摩, 岩澤 尚樹, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “河道閉塞現場における遠隔監視のための3次元地形データ伝送システム”, 第31回ロボティクスシンポジア講演予稿集, 函館, March 2026.
  • 安藤 波音, 浅生 俊希, 葛西 柊摩, 岩澤 尚樹, 永谷 圭司, 藤井 浩光 : “LPWAとWiFiによる河道閉塞現場の3次元地形データ伝送システム”, 第26回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会(SI2025), 1D5-04, 広島, December 2025.